バイデン大統領、デジタルIDとmDLを優先/DCCが学習者資格情報ウォレットの管理をOpen Wallet Foundationに譲渡

バイデン氏、大統領令にてデジタルIDとmDLを優先

ニュース原文:

Biden executive order prioritizes privacy-preserving digital ID, mDLs | Biometric Update

The sweeping directive lays out a comprehensive strategy to address the multifaceted digital identity challenges of cybersecurity, privacy, and authentication.

EO(大統領令)は、補助金を発行する連邦政府機関に対し、携帯運転免許証(mDLs)の開発において州を支援することを検討するよう指示している。

記事内では、バイデン氏が州のmDL開発に対して補助金を出すように要請していると書かれています。

バイデン氏はmDLの標準化、実用に向けて施策を打っています。

アメリカでは15の州でmDLが発行可能となっており、mDLを所持するカリフォルニア州民は、10月の約78万人から100万人を超えています。

US Executive Order on mobile driver’s licenses expected this week | Biometric Update

The Biden administration is expected to issue an executive order instructing U.S. federal agencies to work towards adopting mobile driver’s licenses.

日本ではまだ活用が進んでいませんが、フェリカネットワークスが以下のようなシステムを作っています。

デモレベルではありますが、どのようにmDLが活用されていくかのイメージが湧きます。

皆が知らない「FeliCa」と「フェリカネットワークス」の最新事情【鈴木淳也のPay Attention】-Impress Watch

本連載に限らず、ネット上で見かけるさまざまな反応を見ていると、「皆さん『Suica』や『FeliCa』が大好き」と感じる。

DCCが学習者資格情報ウォレットの管理をOpen Wallet Foundationに譲渡

The consortium maintains leadership in the development of the wallet and continues to provide a production level app for iOS and Android.

デジタル・クレデンシャル・コンソーシアム(Digital Credentials Consortium, DCC)は、マサチューセッツ工科大学(MIT)のオープンラーニング部門に属する高等教育機関の国際的ネットワークで、学習者が自身の学習成果を安全かつポータブルに管理・共有できるデジタルクレデンシャルの普及を目指しています。

DCCは、2020年に米国教育省の助成金を受けて、オープンソースの「Learner Credential Wallet(LCW)」の開発を開始。

このモバイルアプリは、W3Cの検証可能なクレデンシャル(Verifiable Credentials)ウェブ標準に従ったデジタルクレデンシャルを安全に保存・共有するためのもので、実証実験やハッカソンの題材に使われたりしていました。

筆者もインストールして遊んでみたことがあります。

一方、オープン・ウォレット財団(Open Wallet Foundation, OWF)は、Linux財団のイニシアチブとして、相互運用可能なオープンソースのデジタルウォレット技術の開発を推進しています。

今回、このウォレットの管理権をOWFに譲渡したとのことです。

その背景には技術アセットの活用や、ウォレットの普及に向けた相互運用性の確保など様々な理由があるみたいです。

OWFはLinux財団の組織でもあり、人的、技術的、資本的にも余力があったという理由もあるかもしれません。

いずれにせよ、世界各地でウォレットの開発、実証実験が進められており、新たなプロトコルの勃興を感じます。


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