HAIP 1.0とOpenID4VP 1.0が相互運用性テストで98%達成
ニュース原文:
― デジタルID標準化が“実装フェーズ”に入った決定的瞬間
OpenID Foundation が公表した最新の相互運用性テストにおいて、HAIP(High Assurance Interoperability Profile)1.0 とOpenID4VP(OpenID for Verifiable Presentations)1.0 が 98% という高水準を達成しました。
デジタルアイデンティティの基盤が、“仕様策定の段階”から“実運用を前提とした成熟段階”へ進みました。
相互運用性テストが意味するもの
今回のテストは、複数の実装間で以下が実現できるかを検証するものでした。
・デジタルウォレットからVC(Verifiable Credential)を提示
・検証側が正しく・安全にバリデーションできる
・各ベンダーの実装が、標準準拠で動作する
98%という数値は、現実のサービスレイヤーに載せても破綻しないレベルの整合性があることを示しております。
特に、今回対象となった2つの仕様は役割が明確です。
■ HAIP 1.0
高保証レベル(High Assurance)を要するユースケース向けのプロファイル。
金融・行政・医療など、本人性やデータ完全性が必須となる領域で利用される。
■ OpenID4VP 1.0
デジタルウォレットから VC を 安全に・選択的に・相互運用的に 提示する仕組み。ユーザーが自分の資格情報を保持し、必要な項目だけを提示できる。
双方が高精度で動作し、ユーザーを中心に据えた新しいデジタルアイデンティティインフラが、標準化のもとで統一的に動き始めました。
デジタルIDエコシステムに生まれる変化
これまでデジタルID領域では、ベンダーごとの“独自実装”が障壁になっており、同じVC形式でも、提示方法・検証手順・セキュリティ要件が異なることで、相互運用性は限定的でした。
(1)「標準準拠を選べば間違いない」という判断が可能に
企業・政府機関は、各ベンダーの実装差異を気にせず、OpenID準拠のソリューションを採用すれば互換性が確保されるという保証を手に入れた。
(2)VCの実用化が加速
VCは概念としては数年前から注目されてきたが、“互換性が担保されない”ことが実装のボトルネックだった。
今回の結果は、VCが実運用フェーズに入る準備が整ったことを示している。
(3)ユーザー主権モデルの普及
ユーザーは自分のウォレットにVCを保持して、必要な時に必要な属性だけを提示できるようになります。
・不要な個人情報を渡す必要なし
・サービス間で不要にデータが共有されない
・プライバシーと利便性の両立が可能
これは、次世代アイデンティティの基盤となります。
まとめ
標準間の互換性が証明され、VCの実践的な運用が可能になり、産業・政府レベルでの採用が現実味を帯びてきました。
今後の数年は、“仕様策定の時代”から“実装の時代”へデジタルID領域が大きく動く転換点になるでしょう。Receptとしても、この標準化の流れは追い風であり、追従したいところです。
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