「iPhoneのマイナンバーカード」について専門ベンチャーが解説
デジタル庁より発表された「iPhoneのマイナンバーカード」について解説いたします。
発表の内容

本取り組みによって、iPhoneに備わっている「Appleウォレット」の中にマイナンバーカードが格納できるようになります。
格納されたマイナンバーカードは以下の用途で利用できます。
- マイナポータルへのログイン
- コンビニでの証明書取得時のマイナンバーカード提示
マイナンバーカード利用における代表的なシーンで早速利用できる段取りは素晴らしいですね。「マイナンバーカード対面確認アプリ」においても、7月中に「iPhoneのマイナンバーカード」への対応がなされるようです。
登録方法
Apple Walletに追加する際には「マイナポータルアプリ」が必要です。

Android端末に関して
あまり知られていない(?)かもしれませんが、Android端末でもマイナンバーカードの電子証明書を搭載することが可能です。
こちらもマイナポータルアプリからの手続きが可能で、コンビニでの証明書取得時などに利用できます。
参考①(デジ庁のページ):https://services.digital.go.jp/mynumbercard-android/
参考②(コンビニでの証明書受取):https://www.lg-waps.go.jp/01-01.html
ちなみになぜAndroidではわざわざ「マイナンバーカードの電子証明書」と呼称されているのかという点ですが、AndroidとiPhoneでは厳密には実施内容が異なります。
Androidではマイナンバーカード内の情報(個人番号や顔写真など)は端末に保存されず、マイナンバーカードを用いて本人確認等をおこなう場合に必要となる電子証明書(署名用/利用者証明用という二種類があります)のみが保存されます。日常的なマイナンバーカードの利用シーンの多くはこれでカバーできますが今回発表されたiPhoneのように「カード全体を電子化する」訳ではないため、そこを明確にするためにこのような表記がされていると思われます。
iPhone搭載に関するこれまでの流れ
本機能は一年以上前から公表されていました。Appleは以下のプレスを2024年5月末に出しています。

プレスリリース冒頭で以下のように機能内容が紹介されています。
Appleは、日本のデジタル庁と協力し、来春の後半から日本に住むみなさんがAppleウォレットでマイナンバーカードを利用できるよう準備を進めています。Appleウォレットの身分証明書機能を米国外で展開するのは日本が初となります。この機能によって日本に住むみなさんは、iPhoneのAppleウォレットにマイナンバーカードをシームレスに追加し、物理的なカードと同じようにコンビニエンスストアで公的な証明書等を発行したり、「マイナポータル」iOSアプリにアクセスしてオンラインの行政サービスを受けるなど、常にiPhoneのセキュリティ、利便性とともに、安全に利用できるようになります。
仕様に関して
「iPhoneのマイナンバーカード」と呼ばれていますが、より細かい仕様も上記プレスリリースには含まれています。
Appleウォレットの身分証明書は、モバイルデバイスで身分証明書や運転免許証を提示する際の消費者のプライバシー保護について明確なガイドラインを定めているISO 18013-5シリーズとISO 23220シリーズの規格に対応しています。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2024/05/apple-announces-first-international-expansion-of-ids-in-apple-wallet-in-japan/
マイナンバーカードのスマホ搭載がmdocやmDLと呼ばれるデジタル証明書の規格で行われることが説明されています。
海外(欧米、オーストラリア、韓国など)ではモバイル運転免許証の発行が進んでいる国が複数あり、そこで採用されている規格がmdocやmDLとなります。Apple Walletはアメリカの一部州でモバイル運転免許証を管理するための機能を提供しており、日本のマイナンバーカード向けにもその基盤を開放したことになります。
▼mDLについて詳しく知りたい方はこちら
まとめ
本記事では「マイナンバーカードのiphone搭載」について解説しました。
弊社Receptはデジタル証明書を発行するための技術「DID(Decentralized Identifier)/VC(Verifiable Credentials)」を専門とするベンチャー企業です。前述したmdoc/mDLもDID/VCの一規格であり、弊社としてもマイナンバーカードのiPhone搭載はウォッチしてきました。
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