ベトナムで進む edtech × 検証可能な資格証明

ニュース原文:https://www.edtechinnovationhub.com/news/o810zbfhtv2v562tw8fwixds6s7kt7

Luvia と Open Campus の取り組み、その狙い

ベトナムの教育現場で、学習者の学習成果や資格を ブロックチェーン技術による検証可能な証明として提供する連携 が始まります。AI学習アプリを中心とした edtech プラットフォームを手がける Luvia と、教育向けデジタル ID やVC(Verifiable Credentials)を提供する Open Campus が協力し、ベトナム教育訓練省(Ministry of Education and Training、MOET)の支援を受けた 学校向けパイロット実装 を進めています。

Luvia(ルヴィア)とは

Luvia は AI を活用した学習支援プラットフォームで、スマートフォン向けの学習アプリを中心に提供しています。LUVIAは、ベトナムを拠点とするEdTechプラットフォームで、
教育機関・学生・企業をつなぐ学習基盤の構築を進めています。

単なる学習管理システム(LMS)ではなく、学習履歴や修了情報を、将来的に他の主体が活用できる形で扱うことを前提に設計されている点が特徴です。

Luvia のアプリは 2025 年 11 月に iOS/Android 向けにリリースされ、初期の対象ユーザーは提携校ネットワーク約 20 万人の学生です。2026 年初頭には、同社が開発する 学校向け学習管理プラットフォーム の試行運用がハノイの一部学校で始まります。

Open Campus とは

Open Campus は、教育向けのデジタル ID や検証可能な資格証明を支えるコミュニティ主導の DAO(分散型自律組織)です。ブロックチェーン基盤「EDU Chain」(Arbitrum Orbit 上の教育向けチェーン)を用い、学習記録や資格情報を検証可能な形で生成・保存できる仕組みを構築しています。主要貢献メンバーには Animoca Brands、TinyTap、NewCampus、RiseIn など、教育・ブロックチェーン分野の企業が含まれます。

Open Campus が提供する ID レイヤーは、従来の紙や PDF 形式の学習記録に代わって、デジタル化・検証可能な資格証明を発行・再利用できるように設計されています。

この設計により、

  • 教育機関
  • 学習者
  • 企業や他の教育機関

といった複数の主体が関与する環境でも、証明の真正性を保ったまま活用できることを目指しています。

今回行われた取り組みについて

教育証明を「閉じたデータ」から解放する

LUVIAとOpen Campusの連携では、
学習修了や成果をデジタル証明として発行し、
それを学習者自身が管理・提示できる形で扱う仕組みが検討されています。

ポイントは、証明を特定のサービスやデータベースに閉じないことです。
学習者が転職や進学の場面で証明を求められた際、
発行元・改ざん有無・正当性を第三者が検証できる状態を維持することが重視されています。

VCは「証明」ではなく、複数主体をつなぐための前提

この点については、Receptメディアでも繰り返し触れてきました。
VCの本質は、単に何かを証明できることではありません。
複数の主体が関わる環境において、その情報や判断を第三者が検証できる形で扱えることにあります。

デジタルID相互運用性はどこで複雑化しているのか

ニュース原文:https://www.biometricupdate.com/202601/telefonica-tech-launches-self-sovereign-identity-tool-based-on-v […]

教育分野では、

  • 発行主体:教育機関
  • 保持主体:学習者
  • 検証主体:企業や他の教育機関

に分かれます。
この構造の中で、紙の証明書や閉じたデータベースでは、
「誰が発行し、どの前提で作られた情報なのか」を横断的に確認することが難しくなります。

VCは、この分断を前提に設計されています。
特定の事業者やプラットフォームに依存せず、発行主体・保持主体・検証主体が異なっていても、同じ判断根拠を共有し、検証できる状態を作るための仕組みです。

LUVIAとOpen Campusの取り組みは、
こうしたVCの制度的な価値を、教育という複数主体が交差する領域で具体化しようとする試みだと言えます。

教育訓練省の支援とパートナー企業での活用協議

この取り組みは ベトナム教育訓練省(MOET)の支援を受けたパイロットとして進められている点が重要です。副局長の Phung Thi Ly Hang 氏は、教育の効率向上や学習者の進捗を検証する機会としてこのプロジェクトを歓迎しており、ハノイでの試行結果に期待を示しています。

また、Luvia と Open Campus は、ヴィエティン銀行(VietinBank)、ベトコム銀行(VietcomBank)、BIDV など国内金融機関との協議も進めています。これは、検証可能な資格証明を教育だけでなく、教育資金調達や雇用機会、奨学金・助成金申請など多様な用途に拡張するための可能性を探る動きとして注目されます。

教育分野におけるVC活用が示す意味

今回の連携が示しているのは、
教育データを単にデジタル化することではありません。
学習者の記録を、検証可能な形でポータブルに扱えるようにすることにあります。

ブロックチェーンやVerifiable Credentialsを前提としたデジタル証明により、
学習成果は特定の教育機関やシステムに閉じたものではなくなります。
学生は、自らの学習記録を保持し、進学や就職など、
必要な場面で第三者に提示・再利用できるようになります。

これは、教育のデジタル化を一段進めると同時に、
学習成果の可搬性と検証可能性を制度的に高める試みだと言えるでしょう。


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