AML高度化に向け金融庁実証でDID/VC活用を検証
ニュース原文:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000059855.html
暗号資産分野の情報連携はどう変わるのか
2026年3月、デジタルプラットフォーマー株式会社が参画するプロジェクトが、金融庁の「フィンテック実証実験ハブ」第2期案件として採択されました。
本件は、暗号資産等を対象としたマネー・ローンダリング対策(AML)に関する共同情報連携の枠組みを検証する実証です。
フィンテック実証実験ハブとは
金融庁が設ける実証支援枠組みで、新しい金融技術や業務モデルを制度環境の中で検証する場です。
技術の有効性だけでなく、規制との整合や実務への組み込みも検討対象となります。
単独案件ではなく、業界横断の実証
金融庁の公表によれば、申込者は株式会社日立製作所で、あおぞら銀行、GMOコイン、Chainalysis Japan、ビットバンク、楽天ウォレット、日本電気など、銀行・暗号資産関連事業者・技術企業が参画しています。
特定企業のサービス検証というより、事業者間の情報連携モデルそのものを検討する構造です。
なぜ「暗号資産等」が明記されているのか
公表資料には「暗号資産等を対象としたマネー・ローンダリング対策に関し、民間事業者が共同して情報連携を行う新たな枠組みの有効性や法的論点を検証する」とあります。
暗号資産やステーブルコインは、ブロックチェーン上で即時に価値移転が行われ、複数事業者にまたがる経路を通ることも珍しくありません。
この特性は、従来の銀行間送金とは異なるAML上の整理を求めます。
今回の実証は、その前提のもとで、共同連携による対応の実効性と制度上の整理を検討するものです。
参照元:https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260227-2/20260227-2.html
デジタルプラットフォーマーの役割
デジタルプラットフォーマーは、ブロックチェーンやデジタル証明技術を基盤とするシステム開発を手がけています。
同社が扱う分散型ID(DID)やVerifiable Credential(VC)は、発行者の署名を前提に第三者が真正性を検証できるデジタル証明の仕組みです。
AML業務では、取引主体の確認やリスク評価が中心となります。
DID/VCを用いる場合、確認結果や属性情報を検証可能な形式で扱えるため、事業者間での情報連携のあり方に影響を与える可能性があります。
本実証では、こうした技術を暗号資産分野のAML対応とどう接続できるかが検討対象となります。
この実証で整理される論点
現時点では実証段階ですが、今後整理が進むと考えられるのは次の点です。
- 暗号資産取引における情報連携の具体的手法
- 本人性・属性情報の扱い方
- 事業者間の責任分担
- 法的整理の範囲
暗号資産分野では、技術と規制の接続が常に課題になります。本件は、その接続方法を具体的に検討する場でもあります。
まとめ
今回の採択は、暗号資産分野のAML対応を共同枠組みで再整理する動きとして位置づけられます。
銀行、暗号資産事業者、技術企業が横断的に参画することで、情報連携の実効性と制度的整合が検証されます。DID/VCは、その連携を支える技術的要素の一つです。
今後の焦点は、この枠組みがどのように実務と制度に組み込まれていくかにあるでしょう。
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