Mobey Forumによる、EUDIWを使った銀行のビジネスチャンスについてのレポート
ニュース原文:
EUDIWはEUによって先導されるデジタルアイデンティティウォレットを指します。
この取り組みによって銀行が受けるビジネス的インパクトやそれに対する戦略的考察がまとめられています。
以下のURLからレポートは入手できます。
Mobey Forumとは
Mobey Forumは、銀行や金融機関がデジタル金融サービスの未来を形作ることを支援する、グローバルな非営利の業界団体です。
主に銀行、フィンテック企業などが会員として参加し、デジタル金融に関する知識共有や戦略的議論を行っています。
EUDIWによって顕在化する銀行の役割
ウォレット発行者
銀行がウォレットを提供することは銀行業務を超えてユーザー(お客様)の日常をサポートすることになります。
これは銀行にとってビジネス的に最も変革を起こし、最もハイリスク、ハイリターンなポジションだとされています。
EUでは加盟国の許可が降りた場合のみにウォレットプロバイダーになることができます。
VC(Verifiable Credentials)発行者
銀行が持つKYCを行った顧客情報などの情報をマネタイズに繋げるポジションであるとレポートでは言及されています。日本では住所のリアルタイム制や正確性を欠くという観点もあるかもしれません。
VC発行者として銀行が役割を担うことで業界全体の本人確認に対するコストが減らせるとしています。
Relying Party(VCなどの検証者)
これはeidas2.0によって、事実上銀行には必須のポジションとなるとされています。
少ない投資にも関わらず、業務的にも大きな効果を得ることができるとしています。
Access Provider
これはあまりDID/VCのエコシステムでは語られないポジションかもしれません。
By acting as an Access Provider, banks remain relevant in the digital identity ecosystem without directly issuing or consuming credentials. The bank app becomes the entry point for multiple digital interactions, keeping the bank a key touchpoint for customers even in non-financial contexts.
bank Appと呼ばれるのは「銀行が持つ顧客接点」と翻訳するのがいいのかもしれません。
このポジションで銀行がVCの発行者や検証者などになることはありません。
それぞれのEUDIWのプレイヤーがVCを発行したり消費させたりするシーンにおいて、銀行という立ち位置を通じて機会を提供する、というポジションとなります。
具体的には銀行アプリを通じて〇〇という自治体のVCを発行手続きが踏める、と言ったようなものでしょうか。
政府やEUDIWの認定プロバイダーが拡大を目指す際のパートナーとなりうるとされています。
スペインのBizumというサービスがその一例として紹介されています。
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