1EdTechによるオープンバッジ関連の認証について
先日以下の記事を出しました。
1EdTechの認証とはなんなのかご質問が寄せられましたので、解説します。
1EdTechについて
1EdTechは教育工学分野の国際的な技術標準化団体です。教育機関、政府機関、EdTechサプライヤーなどが関わっています。
オープンバッジの他にも、学習管理システム(LMS)の連携標準であるLTI(Learning Tools Interoperability)なども1EdTechが策定した代表的な技術標準の一つです。

1EdTechによるオープンバッジ認証について
1EdTechはオープンバッジの技術標準への準拠を認証するプログラムを提供しており、以下の3つのカテゴリがあります。
1.Issuer(発行者)認証
オープンバッジを技術標準に準拠した形で正しくバッジ発行ができるプラットフォームやシステムであることを認証します。
主な機能・要件
- 標準準拠のメタデータ: バッジ名、授与基準、発行者情報、有効期限など、1EdTechが定めるメタデータ構造に従ってバッジデータを生成できること
- 暗号化署名: 発行されたバッジの真正性を保証するためのデジタル署名が適切に行えること
- 発行プロセスの適切性: 学習者へのバッジ授与プロセスが標準に準拠していること
- 検証可能性の担保: 発行したバッジが第三者によって検証可能であるための情報(公開鍵など)を提供できること
2.Displayer(表示者)認証
オープンバッジを技術標準に準拠した形で適切に表示し、共有できるプラットフォームやアプリケーションであることを認証します。
主な機能・要件
- 正確なバッジ情報の表示: バッジの画像だけでなく、発行者、受領者、授与基準などのメタデータを正確に表示できること
- バッジの検証機能: 表示するバッジが改ざんされていないか、有効な発行者からのものであるかを検証できる機能を持つこと
- 共有機能の標準準拠: バッジをSNSや他のプラットフォームへ標準的な方法で共有できる機能を持つこと
- プライバシーへの配慮: バッジ受領者のプライバシー設定を尊重した表示ができること
3.Host(保管・管理者/ホスト)認証
オープンバッジを安全に保管し、異なるプラットフォーム間でのバッジの相互運用を実現するための機能(いわゆる「デジタルバッジウォレット」や「バックパック」と呼ばれる機能)を提供するプラットフォームであることを認証します
主な機能・要件
- バッジの安全な保管
- ユーザーが獲得したオープンバッジ(他の発行者から発行されたものも含む)を、セキュリティが確保された環境で安全に保管できること
- データの機密性、完全性、可用性を維持するための対策が講じられていること
- バッジのインポートおよびエクスポート
- 標準規格に準拠したオープンバッジであれば、他のプラットフォームで発行されたバッジでもインポートして一元管理できること
- 保管しているバッジを、標準規格に準拠した形で他のプラットフォームやサービスにエクスポート(持ち出し)できること
- バッジの検証と信頼性
- 保管しているバッジの真正性(発行者が誰か、改ざんされていないかなど)を検証できる機能を有すること
- ユーザーによる管理とプライバシー
- ユーザー自身が、どのバッジを公開し、どのバッジを非公開にするかなど、プライバシー設定をコントロールできる機能を提供すること
- バッジの整理、分類、検索といった管理機能が提供されること
- 相互運用性の確保
- 他の1EdTech認定Issuer(発行者)やDisplayer(表示者)システムと円滑に連携できること
- オープンバッジの標準仕様(例えば、バッジクラス、アサーション、プロファイルなど)を正しく解釈し、処理できること
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