Open Standards Identity APIについて

https://secureidentityalliance.org/osia

Open Standards Identity API(OSIA)はSecure Identity Alliance(SIA) という非営利団体が推進している、ID管理システム間の相互運用性を確保するためのオープン標準の取り組みです。

Secure Identity Allianceとは

先にSecure Identity Alliance(SIA)についてご説明します。

SIAは安全で信頼性の高いIDを推進するために設立された非営利団体です。設立メンバーは名だたるIDソリューション企業(IDEMIA、IN Groupe、Thales、Veridos)で、政府、NGOなども参加し活動を推進しています。

SIAは次の4つの柱で活動しています。

  1. Identity for Good(社会貢献のためのID):あらゆる人が基本的な社会サービスにアクセスできることが人々の生活を向上させるという信念に基づき、IDの普及を推進する。
  2. オープンスタンダードの開発:特定の企業や技術に依存しない、オープンで相互運用可能なIDシステムの実現を目指す。
  3. アウトリーチ(啓発活動):政府や国際機関がプライバシーに配慮したIDプログラムを提供できるよう、IDに関する政策提言や技術的なガイダンスの提供、ベストプラクティスの共有などを行う。
  4. 業界サービス:ID技術に関する市場の動向調査やセキュリティに関する知見の共有などを通じて、ID業界全体の発展に貢献する。

Open Standards Identity API

さて、OSIAの話に戻ります。前述のSIAの4つの柱でいうと2の「オープンスタンダードの開発」における代表的な取り組みです。

OSIAではIDシステムにおけるベンダーロックインを課題と捉えています。そこでIDシステムを機能ごとの要素(生体認証システム、人口登録、資格情報管理、登録システム)に分け、要素間のAPI仕様を共通化する取り組みを行っています。2024年にはOSIAの仕様が国際電気通信連合(ITU)によって国際標準(ITU-T勧告 X.1281)として承認されており、デジタルID分野におけるプレゼンスを高めています。

"Unlock the full power of identity to enable people, economy and society to thrive."というミッションを掲げるOSIAの取り組みは、世界中でIDシステムの「あるべき姿」を提示する動向として、引き続き注目に値すると言えるでしょう。


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