生体認証企業ParavisionがTOPPANなど3社との提携を発表

ニュース原文:

Paravision reveals biometrics partnerships with Toppan Next Tech, PopID, Imprivata | Biometric Update

A group of partnerships with Paravision providing face biometrics have been revealed in the latest edition of the company’s promotional magazine, Converge.

Paravisionが提供する顔認証技術を採用した新たなパートナーシップが明らかになりました。TOPPAN NEXT TECH(TOPPANの関連会社)、PopID、Imprivata の3社が発表されました。当メディアでも何度か紹介している、アメリカのデジタルIDスタートアップであるID.meにも生体認証技術を提供していることでも知られるParavisionがさらにパートナーシップを拡大しています。

ID.meは2024年の冬には評価額が2,000億円を突破したともいわれていますね。

Dock社がYouverse社と提携しました/ID.meの評価額が2000億円を突破しました

Dock社がYouverse社と提携しました ニュース原文: Youverseとは Youverse社は分散型生体認証プラットフォームを提供しています。 分散型生体認証プラットフォームとは、…

業界横断的にパートナーシップを組むParavision

TOPPAN NEXT Techは、陸路国境を自動化してスムーズに通過できる仕組みにParavisionの技術を活用。PopID は、生体認証 POS 端末の拡販に向けた資金調達を発表しており、同社の端末にもParavisionのアルゴリズムが組み込まれています。医療向けアクセス制御大手のImprivata は、ヘルスケア領域での本人確認にParavisionの顔認証を採用しています。

ここ最近M&Aやパートナーシップを含めて、デジタルアイデンティティ関連のニュースが増加しています。日本ではKYC大手のLiquidによるポラリファイの買収がそのニュースのうちの1つかと思われます。

eKYCのポラリファイが競合のLiquidとの「統合」を選んだ理由 | 日経クロステック(xTECH)

 「ポラリファイはeKYC市場でしのぎを削ってきた仲。不正犯罪の撲滅に向けて、両社が手を組むことで新たな個人認証基盤の提供を目指す」。ELEMENTS社長兼Liquid代表の長…

Prove社がDID/VC企業を買収

ニュース原文: 以前取り扱っていたProve社がDID/VC企業を買収 以前当サイトでも、Prove社については取り上げておりました。 Prove社は電話番号やメールアドレスなど、さ…

さて、これらの買収やパートナーシップのニュースで仮に共通点を(無理やりにでも)見出すとすると、生体認証のような当人認証技術、KYCに利用される本人確認技術(ICチップの読み取りなど)があげられそうです。それもそのはずで、これらの技術はかなりインフラ技術に近く、単体で商売を行えるようなものではありません。となると業界でのユースケースや共同プロダクトが事業戦略上必須となってくるのでパートナーシップや、事業会社(または競合企業)によるM&Aが行われるのも不自然ではありません。

それに加えて、これら技術がある意味枯れ始めているということの表れなのかもしれません。

日本ではマイナンバーカードの普及やデジタル庁認証アプリのリリースにより、事業者はマイナンバーカードに紐づく身元情報にアクセスすることが段違いに簡単になったと言えます。顔認証技術なども事業者が増え続けると、根底は顔認証のエンジンのはずなので価格競争が起きやすく、大きな企業が生き残る枯れた市場になりやすいともいえそうです。

一方でEUDIWのようなデジタルアイデンティティ業界では大きなムーブメントも起きていて、その技術要素として必要なものであることには変わりはありません。これらの時間経過とマクロ的な潮流も含めてここ最近はこういったニュースが増えているのかもしれませんね。


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