イギリスのReusable Digital IDスキーム「Select ID」について調べてみた

Select IDはイギリスでコンソーシアム的に運営されるデジタルIDサービスです。
TISAという団体が運営しています。

TISAは同名の団体が世界に複数あるようですが、イギリスのTISAは「he Investing and Saving Alliance」の略で、貯蓄や投資に対する政策・規制、業界標準の整備などをテーマに活動しています。
彼らが2024年5月にリリースしたのがSelect IDです。

https://www.selectid.co.uk/

Select IDの構成者

Select IDは以下のような錚々たる面々で運営されています

  • BARCLAYS:300年以上の歴史をもつイギリスの大手銀行グループ
  • HSBC:世界70か国以上で事業を展開し、資産規模・国際的ネットワークの広さから世界有数のメガバンクのひとつに数えられるイギリスの大手金融グループ
  • VISA:言わずと知れた決済インフラ大手

これらの事業者が個別に行っている本人確認プロセスを、最近流行りの「Reusable ID(再利用可能なID)」で可能にすることで便利かつセキュアなものにしています。

ユーザーの利用方法

公式サイトのユーザー向けページを見ると、

  1. 本人確認が求められた際に、オリジナルサービスが接続しているIDプロバイダーを選択
  2. 自身が利用可能なIDプロバイダーを選択し、認証プロセスを突破
  3. オリジナルサービスにデータが連携され、本人確認が完了

という流れで利用できるようです。

ここは至極一般的なReusable IDのサービスの流れですね。

普及はまだまだこれから?

サービスページや公開情報を色々探ってみたのですが、まだ情報があまり公開されていませんでした。

サービスページもイメージ画像のようなものが多く、この領域でよくある「未来の構想をまだ語っているだけ」のフェーズなような気がします。
当社もプロダクトが全く完成していない状態で営業をしていた時期があり雰囲気が似ています

日本でもDID/VCコンソーシアムが似たような仕組みをつくろうとしていますが、画像解析型の本人確認終焉が見えている中でニーズが高まるサービスだと思います。抽象度を高めるとこれも一つのVCモデルエコシステムなので、こういった座組間のインターオペラビリティや拡張性に貢献できるよう、当社もproovy基盤をアップデートし続けてまいります。


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