【2024年最新】VC(Verifiable Credentials)とは

VC(Verifiable Credentials)とは、第三者がその内容を検証できるデータ規格のことです。
デジタルアイデンティティの新たな管理方式として活用が進んでいます。

VCが必要とされる背景

個人に紐づく資格情報や属性情報を第三者が確認する際、その情報が偽造されていないか確かめるのは意外と難しいプロセスでした。
データの形式が国や事業者によってバラバラであることも多く、システマチックな検証が難しいシーンも少なくありません。

VCはこれらの課題を解決します。

VCの利用方法

VCを利用する際には、次のようなステークホルダーが存在します。

  1. 発行者(Issuer):VCを発行する機関や人物
  2. 保持者(Holder):VCを所有する個人
  3. 検証者(Verifier):VCの正当性を確認する機関や人物

これらのステークホルダーがVCをやり取りするために、「レジストリ」と呼ばれるデータベースを使用します。このレジストリは、ブロックチェーンや信頼できる第三者が管理するデータベースです。

発行者がVC形式でデータを保持者に渡し、保持者はそのVCをデジタルIDウォレットで自ら管理します。
このVCは第三者に提示することができ、VC内の電子署名を確認することで改ざんを検知することが可能です。またVCはデータ規格の統一が図られており、共通の仕様に従った検証者は誰でもこのデータを検証できます。

VCの構成要素

VCはJSON形式のデータで、以下のような重要なプロパティがあります。

  1. type:VCの種類を示します。例えば、運転免許証なら「DriversLicense」など。
  2. credentialSubject:VCが表す具体的な情報を含みます。運転免許証なら、氏名や住所、免許の種類などが入ります。
  3. proof:発行者による署名データが含まれています。検証者はこれを使って、VCが本当に発行者によって発行されたものかを確認できます。
VCの例

VCの課題点

VCにもいくつかの課題があります。

  1. 発行者の信頼性:VCが発行者によって正しく発行されたとしても、その発行者が信頼できるかどうかを確認する必要があります。
  2. データ規格の統一:例えば、卒業証書のデータを統一するためには、各大学が同じフォーマットでデータを提供する必要があります。

参考:VCとブロックチェーンの関係

VC(Verifiable Credentials)の利用シーンにおいて、ブロックチェーンがセットで語られるシーンは少なくありません。VCとブロックチェーンの利用はセットではありませんが、以下のような親和性があり、組み合わせて使われることも多いです。

  1. データの一貫性と改ざん防止: ブロックチェーンはデータが分散して保存されるため、一度記録されたデータを改ざんすることが非常に難しくなります。これにより、VCに記載された情報が常に正確であることを保証できます。
  2. 分散型の信頼: ブロックチェーンを使うことで、中央集権的な信頼機関が不要になります。つまり、特定の組織や政府に依存せずに、データの信頼性を確保できるのです。これが「自己主権型アイデンティティ(SSI: Self-Sovereign Identity)」の思想に非常に近い考え方です。
  3. 透明性と信頼性: ブロックチェーンは公開された台帳であり、誰でもその内容を確認することができます。この透明性により、データの正当性や信頼性を誰でも検証できるようになります。

まとめ

VCは個人情報の検証をより簡単かつ確実にする技術ですが、信頼性の確保やデータ規格の統一など、まだまだ課題もあります。これらの課題を克服するためには、国や事業者、業界といった垣根を超えた協力が必要です。


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