VC(Verifiable Credentials)技術におけるVCモデルとは

近年、デジタルアイデンティティの管理がますます重要視されています。特に、インターネットを介して行われる取引や手続きにおいて、信頼性とセキュリティを確保するための技術が求められています。その中で注目されているのがVerifiable Credentials (VC) 技術です。

VCは証明書や資格情報を表現するデジタルデータで、信頼できる第三者(発行者)によって発行され、保持者が自身のデジタルウォレットに保管し、検証者に対して提示することができます。
紙の証明書と同様にデジタル証明書を安全に発行・提示・検証することが可能になります。

VCモデルの説明

VC技術を説明する際に、以下のようなモデル図をよく目にします。
この図は「VCモデル」と呼ばれ、VCを利用したデータの発行フローを簡潔に表現しています。

W3Cホームページより

VCモデルの構成要素

VCモデルは、以下の主要な要素から成り立っています。

  1. 発行者 (Issuer):
    • VCを発行するエンティティ。例えば、大学が卒業証書を発行する場合、大学が発行者となります。
  2. 保持者 (Holder):
    • VCを保持し、自分のデジタルウォレットに格納するエンティティ。保持者は、必要に応じてVCを第三者に提示します。
  3. 検証者 (Verifier):
    • 保持者から提示されたVCの有効性を確認するエンティティ。例えば、企業が採用時に応募者の卒業証書を検証する場合、その企業が検証者となります。

VCモデルのプロセス

VCが発行され外部に提出されるまでのプロセスは以下のようになります。

  1. VCの発行 (Issuance):
    • 発行者が保持者に対してVCを発行します。発行には、発行者のデジタル署名が付与され、資格情報の内容と発行者の認証が含まれます。
  2. VCの保管 (Storage):
    • 保持者は、発行されたVCをデジタルウォレットに安全に保管します。ウォレットは、モバイルアプリやクラウドベースのサービスとして提供されることが一般的です。
  3. VCの提示 (Presentation):
    • 保持者が検証者に対してVCを提示します。保持者は、提示の際に、必要な情報だけを選択的に公開することが可能です。
  4. VCの検証 (Verification):
    • 検証者が提示されたVCの有効性を確認します。検証には、発行者の署名の確認、VCの改ざんの有無の確認、必要に応じて発行者の信頼性の確認が含まれます。

VCモデルの利点

VCモデルは、デジタルアイデンティティの管理や資格情報の信頼性とセキュリティを向上させるための重要な技術です。主な利点には以下の点が挙げられます。

  • プライバシー保護:
    • 保持者が自分の情報をコントロールし、必要最低限の情報だけを提示することでプライバシーが保護されます。
  • 信頼性:
    • デジタル署名により、発行者の信頼性と資格情報の改ざん防止が確保されます。
  • 相互運用性:
    • 標準化されたフォーマットとプロトコルにより、異なるシステム間での相互運用性が高まります。


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