【2024最新動向】Web3とはなにか?どのような世界なのか?

この記事では、Web3と呼ばれる世界がどのような状況なのか、この業界で数年働いてきた筆者が自身の体験を基に書いていきます。

Web3のポテンシャルについて説明する記事はネット上にたくさんありますが、実際に活用する上での障壁や課題について書いている記事は少ない。そう思い、Web3の面白さ、並びに普及に向けた壁を整理します。

Web3の面白さ

筆者がWeb3に興味を持ったきっかけ、実際に何千時間と関わってきた中で感じる面白さです。

アプローチがダイナミック

Web3の元祖であるビットコイン誕生の背景には「国が通貨を発行しコントロールする社会の変革」という思想があると言われています。このダイナミックな思想を実現するためにブロックチェーンをはじめとする革新的なソリューションを生み出し、現実にしてしまった創始者(サトシ=ナカモト)がすごすぎます。

またGAFAをはじめとするメガ企業がデジタル世界を牛耳る状況へのアンチテーゼとしてWeb3が盛り上がっているシーンも多いです。

世間の荒波に揉まれる中で、社会に課題があっても妥協的な解決案を生み出すことで精一杯になる人がほとんどではないでしょうか。
これまでの当たり前にとらわれず、社会をダイナミックに変えようとするチャレンジの結晶がWeb3なのだと理解しています。

対症療法ではなく原因療法

社会や日常にペインを発見した際、そのプロセスを洗い出しボトルネックとなる箇所を特定、そこにソリューションを持ち込むのが一般的なアプローチだと思います。

「アプローチがダイナミック」とも関連しますが、Web3は既存の枠組みや仕組みそのものを疑い変えていく動きが強いです。
例えばシステム運用につきものの人件費やヒューマンエラーに着眼し、そもそも人手を介さずに契約が履行されるプラットフォームを作ってしまう。(よりよい業務プロセスの提案や整理されたUI開発ではなく)

自分以外の誰かのミスや悪意によって不利益を被ることに違和感を感じたら、そもそも自分以外の誰も信じなくてもいい世界を実現するアプローチです。(事前の取り決めや責任分界点を明確にする、保険の仕組みを使うのではなく)

課題解決型ではなく新価値想像型

新サービスを売り出すとき「これまでかかっていたコストをこれだけ削減します」と言うのは一番のセールストークです。

導入する個人や企業としても、
削減できる費用>そのサービスを導入する費用
が成り立てば経済合理性をもって導入に踏み切れるからです。

Web3は全く新しい世界観・経済圏で構成されており、そこで新たな価値を創造することに各プレイヤーが挑戦しています。

Web3普及に向けた壁

ここまでWeb3の面白さを書いてきましたが、正直多くの人にとってWeb3は未知の存在で、Web3でガンガン稼いでいる企業はほとんどいないのが現状です。ここからはWeb3が普及しづらい理由、大企業とWeb3の相性が良くない背景を書いていきます。

インフラレイヤーの技術である

Web3はアプリケーションレイヤーが独立して動くわけではなく、その基盤となるインフラレイヤーもセットで導入する必要があります。

例えばAIのソリューションであれば今使っているデバイスから簡単にサービスにアクセスして動かすことが出来ます。Web3では従来のデータベースをブロックチェーンに移行したり、ユーザーにウォレットを使わせたりと改修の範囲がどうしても大きくなってしまいます。

インフラレイヤーに手を入れるのは特に大手企業では並大抵のことではないため、それ故に本格導入が難しく実証実験が関の山となってしまいます。

鶏と卵に陥りがち

ブロックチェーンや各種トークンアセットは多くのユーザーが保有・利用し、大量のデータが載っていることでその真価を発揮します。
ただ最初ゼロのインフラに対して誰がデータを載せるのか、データが少ない時期においてユーザーに使いたいと思ってもらえるほどのメリットを提供できるか、といった問題が付きまといます。

◆鶏と卵問題について書いた記事:https://note.com/recept_oshima/n/n19abea5e071d

規制動向に振り回される

トークンは金融資産や有価証券などとして扱われる都合上、規制や法律にガチガチに縛られています。

無法地帯にしてしまうとマネロンや詐欺の温床になってしまうので致し方ない側面もありますが、規制業界になってしまうのは成長速度が鈍化したりイノベーションが止まってしまうことにつながります。

玉石混合なカオスな領域

Web3界隈には怪しい企業や個人がたくさんいます。これは暗号資産という不安定な価値媒体が出回る経済圏であること、ボーダレスで海外との接触が容易である点が要因として挙げられます。

さらに私的に「非エンジニアでも頑張れる領域」という点も要因としてあると思います(私もそうですが)。サービスを提供したり情報を発信する立場になるうえでの参入障壁が低いため、「目立つ人が勝つ(プロダクトや技術の質ではなく)」状況になり得るんじゃないかと。

特に一昔前はあらゆる人が色んなことをしている界隈でした。この状況は大企業としては事業展開するリスクが高い領域として映りますし、内輪ノリがひどい領域になってしまう側面も否めません。

結論、Web3はまだ輝ける

Web3は社会を変える大きなポテンシャルを秘めていると思います。
そこは昔から変わっていません。

カオスな領域ということを書きましたが、最近は冬の時代も超えて地に足をつけて頑張ってきた企業が残っている印象。
先端技術の枠としてはAIにだいぶ押されていますが、そもそもAIとWeb3は主戦場となる技術レイヤーも違うので、Web3はWeb3として普及していくものだと思います。


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