DIFが年齢確認におけるVC(Verifiable Credentials)のスキーマを発表
ニュース原文:
急速に進む年齢認証の規制強化
近年、オンラインサービスにおける年齢認証の義務化が急速に進んでいます。
米国・英国・EUでは、ソーシャルメディア、ギャンブル、電子タバコ、アルコール、大麻、ポルノなど、年齢制限のある業界に対してユーザーの年齢確認を厳格化する規制が次々と施行されています。
現在、年齢認証の方法として以下のような手段が活用されています。
- 身分証明書のスキャン(運転免許証、パスポートなど)
- クレジットカード決済情報の活用
- 顔認識や音声認識による生体認証
- 政府発行のデジタルIDの利用
それぞれにメリットとデメリットがあり、特に個人情報の保護と規制対応のバランスが重要な課題となっています。
このような状況の中で、DIFはDID/VC技術を活用した標準化に取り組み、プライバシーと利便性を両立する新たな年齢認証の仕組みを構築しようとしています。
Decentralized Identity Foundation(DIF)とは?
Decentralized Identity Foundation(DIF)は、分散型ID(Decentralized Identity)技術の標準化と普及を推進する国際的な非営利団体です。
Microsoftなどの主要なテクノロジー企業をはじめ、分散型ID周りのスタートアップを含む、多くの企業や研究機関が加盟しており、自己主権型アイデンティティ(Self-Sovereign Identity, SSI) の実現を目指しています。
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DIFの年齢認証スキーマの特徴
DIFが現在策定を進めている年齢認証スキーマには、以下のデータ項目が含まれています。
年齢推定(Age Estimation)
- 年齢範囲(Age Range):最小年齢と最大年齢を定義
- 確率(Probability of Correctness):年齢推定の信頼度をパーセンテージで示す
- 信頼レベル(Level of Confidence):ISO標準に準拠し、90%(基本)、99.99%(厳格)などのレベルを設定
年齢確認(Age Verification)
- 生年月日(Date of Birth):年齢
- 年齢認証方法(Age Assurance Method):顔認識、音声認識、身分証明書スキャンなど
- 発行者情報(Issuer Identifier):クレデンシャルの発行者識別情報
- 有効期限(Expiration Date):クレデンシャルの有効期限
特筆すべき点として、DIFのスキーマではユーザーの生体情報(指紋や顔のハッシュデータ)を直接格納しない方針を採用しています。
これは、ユーザーが自身のデータを完全にコントロールできるようにするためです。
これは、九州大学の学生証にまつわるVerifiable Credentialsの利用とも共通しますね。
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