ソマリアのデジタルIDを加速させる三つの公的サービス
ソマリアにおけるデジタルIDの取り組み記事を読んでいて、なかなか興味深い内容でしたのでご共有いたします。
Somalia’s National Identification and Registration Authority (NIRA) とソマリア政府は、デジタルIDシステムを運用するための基礎となる3つのシステムを提供する予定です。
3つのシステムは以下
- HUBIYE identity verification platform
- CDS (Certificate Delivery System)
- Aqoonsi app
1.HUBIYEについて
HUBIYEはNIRAが開発した本人確認ソリューションのようです。
本人確認後にユニークなIDを発番し、これらを外部サービス(銀行や通信会社、政府機関など)と連携する仕組みを備えています。
メールやSMSによるワンタイムパスワードを用いて、データ連携時等のユーザー同意を得る仕組みです。

NIRAのWebページを見ると、海外に在住する国民にも使ってもらう設計のようです。
The Hubiye Platform also supports seamless collaboration with international agencies, enabling the verification of IDs for citizens residing abroad, ensuring that NIRA’s verification processes meet global standards. Through the Hubiye Platform, NIRA provides a robust, secure, and efficient solution for identity verification, helping to protect against fraud while facilitating secure access to services for citizens both within Somalia and internationally.
https://nira.gov.so/hubiye
◆和訳
Hubiyeプラットフォームは、国際機関とのシームレスな連携もサポートし、海外在住の国民のID確認を可能にし、NIRAの確認プロセスが国際基準を満たすことを保証します。Hubiyeプラットフォームを通じて、NIRAは堅牢で安全かつ効率的な本人確認ソリューションを提供し、詐欺行為を防止しながら、ソマリア国内外の国民が安全にサービスにアクセスできるようにします。
2.CDS (Certificate Delivery System)について
HUBIYEにおける本人確認・ユニークIDの発番後に、それらを用いて各種ドキュメント(出生証明書、婚姻証明書、死亡証明書など)を発行・配布するためのシステムのようです。

ユーザーに紐づく11桁の追跡番号とメールやSMSに届くワンタイムパスワードによる認証を介して、ドキュメントをPDF形式でダウンロードできるようです。
3.Aqoonsi appについて
こちらはデジタルIDウォレットのようです。

アプリ内ではデジタル身分証が発行され、物理的な国民IDカードと同等であるとされています。
自身の生体情報を登録する機能、他者アプリのQRスキャンによって相手の身元を確認する機能などもついているようです。
この辺りは各国が提供する一般的なデジタルIDウォレットでは見られないため、「プライバシーへの配慮」と「社会のデジタル化・偽装等の不正撲滅」へのバランスの取り方が後者に寄っていると感じます。
ソマリアは相対的には社会インフラが整っていない国ですので、一連のアプリを通してその辺りの遅れを一気に国際水準に引き上げようとしているのかもしれませんね。
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